老視【老眼】の主な原因
老視(老眼)の主な原因は、加齢によって目の水晶体と毛様体筋の機能が衰えることです。具体的には、以下のような要因が関与しています。
1. 水晶体の弾力性の低下
水晶体は目の中で光を屈折させ、近くや遠くのものにピントを合わせる役割を担っています。若い頃は水晶体が柔軟で、毛様体筋の働きによって形を変えることができ、近距離でもピントを合わせることが可能です。しかし、加齢に伴い水晶体の弾力性が失われていき、近くの物に焦点を合わせにくくなります。
2. 毛様体筋の衰え
毛様体筋は、水晶体の形を調整してピントを合わせる筋肉です。加齢によりこの筋肉の働きが衰えると、水晶体をうまく変形させることができなくなり、近くのものにピントを合わせる能力が低下します。
3. 水晶体の硬化と厚みの増加
加齢とともに水晶体自体が次第に硬くなり、厚みが増します。これにより、調節機能が低下し、遠くを見るときは問題ないものの、近くの物に焦点を合わせることが難しくなります。
4. 眼の調節機能の低下
水晶体の弾力性と毛様体筋の働きが衰えることで、目の調節機能(遠くから近く、または近くから遠くへのピント合わせ)が弱くなります。この結果、近距離での視力がぼやけるようになります。
5. 遺伝的要因
老眼の進行には遺伝的な要因も関与していると考えられています。両親が早期に老眼の症状を示している場合、自身も早期に老眼を発症する可能性が高くなります。
6. その他の要因
環境的要因
長時間の近くの作業(読書やパソコン作業など)を続けることも、老眼を早める可能性があります。
健康状態
糖尿病や高血圧などの慢性疾患が視力に影響を与えることがあります。また、長期間の薬物使用や目の病気が老眼の進行に影響を与えることもあります。
老眼は、自然な加齢に伴う生理的な変化であり、誰にでも起こる現象です。ただし、加齢の進行具合や目の健康状態により、症状の現れる時期や進行速度は個人差があります。