霰粒腫の主な原因
霰粒腫(さんりゅうしゅ)の主な原因は、まぶたにある「マイボーム腺」と呼ばれる油分を分泌する腺が詰まることです。この腺が詰まることにより、分泌物がまぶたの内部にたまり、炎症が引き起こされ、腫瘤(しゅりゅう)が形成されます。具体的な原因としては、以下のようなものが考えられます。
1. マイボーム腺の閉塞
マイボーム腺が何らかの理由で詰まることが最も一般的な原因です。腺内に分泌される油分が滞ると、腺内で固まって塊になります。
2. 油分の分泌異常
油分(皮脂)の過剰分泌や質が悪化すると、マイボーム腺の出口が詰まりやすくなります。これが霰粒腫の原因になることがあります。
3. まぶたの感染症や炎症
まぶたの他の炎症(例えば、麦粒腫(ものもらい))が霰粒腫に進展することがあります。麦粒腫は通常、感染によって膿がたまる病気ですが、これが治癒する過程で霰粒腫になることもあります。
4. 乾燥や目の刺激
長時間の乾燥、埃や汚れ、化粧品の残りなどが目に入ると、マイボーム腺が刺激され、腺内の分泌物が固まりやすくなります。
5. 不衛生な手やタオル
目を触るときに不衛生な手で触れることや、汚れたタオルや枕カバーを使うことで、まぶたに細菌が入り、腺が詰まりやすくなることがあります。
6. 慢性疾患や体質的な要因
皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎や皮脂腺の異常)など、皮膚が乾燥しやすかったり、過剰に油分を分泌したりすることが霰粒腫のリスクを高めます。
糖尿病などの慢性疾患がある場合、免疫機能の低下により霰粒腫が発生しやすくなることがあります。
7. 加齢やホルモンの変化
加齢により皮脂の分泌が変化し、マイボーム腺が詰まりやすくなることがあります。また、ホルモンバランスの変化も影響を与えることがあります。
霰粒腫は通常、良性の腫瘍であり、深刻な病気に発展することはありませんが、原因を特定して適切に対応することが予防に繋がります。