VDT症候群

VDT症候群（Visual Display Terminal症候群）とは、長時間コンピュータの画面（VDT: Visual Display Terminal）を使用することにより、目や体に不快感や健康障害が生じる一連の症状を指します。

主に、目の疲れや乾燥、首や肩のこり、頭痛、さらには集中力の低下などが含まれます。この症候群は、デスクワークや長時間のパソコン作業に従事している人々に多く見られます。

VDT症候群の主な原因

長時間の画面の注視

画面と目の距離や角度が不適切

照明や画面の明るさが不適切

姿勢が悪い（背筋を伸ばさない、手や腕を不自然な角度に保つ）

まばたきの回数が少なくなる（乾燥目の原因）

身体的な不調

頭痛

首や肩のこり

背中や腰の痛み

手や腕のしびれ

集中力や精神的な疲労

集中力の低下

目の前の作業に対する意欲の低下

ストレスやイライラ感

予防方法

VDT症候群（Visual Display Terminal症候群）の予防には、長時間のコンピュータ作業による目や体への負担を軽減するためのいくつかの対策が効果的です。以下に、具体的な予防法を紹介します。

1. 定期的な休憩を取る

20-20-20ルールを実践：20分ごとに、20フィート（約6メートル）離れた場所を20秒間見ることで、目の疲れを軽減できます。

1時間ごとに5〜10分の休憩を取る：目を休め、身体をリフレッシュするために、少し席を立ったり、軽いストレッチをすることが推奨されます。

2. 画面の位置や照明を調整する

モニターの位置：目の高さに画面の上端が来るように調整し、画面から30〜50センチの距離を保つことが理想的です。画面が下がりすぎると、首や肩に負担がかかります。

画面の角度：目線を下に向けた時に画面を見る形に調整し、目や首の疲れを軽減します。

周囲の照明：画面の明るさと部屋の照明を調整し、目に優しい環境を作りましょう。画面の明るさが周囲の照明よりも強すぎると、目が疲れやすくなります。反射やグレアを防ぐため、画面の前に直射日光が当たらないようにすることも大切です。

3. 姿勢を改善する

椅子の調整：背もたれが腰にフィットし、膝が90度の角度で床と平行になるように椅子の高さを調整します。また、足が床につくようにすることも重要です。

モニターの高さ：目線がモニターの上端に合わせるように調整します。画面が高すぎたり低すぎたりすると、首や肩に負担がかかります。

キーボードとマウスの位置：キーボードとマウスは肩の力を抜いて自然に操作できる位置に置き、肘は90度の角度で保つことを心がけましょう。

4. 目のケア

まばたきを意識的に増やす：コンピュータ作業中にまばたきの回数が減少し、目が乾燥しやすくなります。まばたきを意識的に増やし、目を潤すことが大切です。

人工涙液を使用する：乾燥を防ぐために、目薬（人工涙液）を使用するのも有効です。

目の体操：目を閉じて、軽く回したり、遠くを見たりして目を休めると、目の疲れが軽減します。

画面の文字サイズを大きくする：文字を小さくしすぎると目が疲れやすいため、文字サイズを適切に設定することが望ましいです。

5. エクササイズとストレッチ

肩や首のストレッチ：定期的に肩や首のストレッチを行い、筋肉の緊張をほぐしましょう。肩を上下に動かしたり、首を左右にゆっくり回すことで、こりを予防できます。

背筋の強化：正しい姿勢を維持するためには背筋を強化することが重要です。軽いエクササイズや、立って歩くことを心がけましょう。

6. モニターの設定を最適化する

文字のコントラストを高くする：背景と文字の色のコントラストを強くすることで、目の負担を軽減します。

画面の明るさ調整：画面の明るさを適切に設定し、周囲の光と調和させることが大切です。暗すぎても明るすぎても目が疲れやすくなります。

ブルーライトカット機能を使う：ブルーライトをカットするフィルターやソフトウェアを使うことで、目の負担を減らし、睡眠の質も改善される場合があります。

7. 適切な睡眠をとる

長時間の作業が続くと、体や目の疲れが蓄積します。質の良い睡眠を確保することで、疲労を回復させ、翌日以降の作業に備えましょう。