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医療法人 一藤会ふじ眼科クリニック

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目の病気についてぶどう膜炎目の病気一覧に戻る

ぶどう膜炎(ぶどうまくえん、英:Uveitis)は、目のぶどう膜(Uvea)という部分に炎症が起きる疾患の総称です。ぶどう膜は、目の虹彩(こうさい)、毛様体(もうようたい)、脈絡膜(みゃくらくまく)という3つの部分から成り立っており、これらの部分が炎症を起こすことを「ぶどう膜炎」と呼びます。

ぶどう膜炎の分類

ぶどう膜炎は、炎症がどの部分に起きるか、またその原因によっていくつかのタイプに分類されます。

1.前部ぶどう膜炎(虹彩炎など)

最も一般的なタイプで、虹彩と毛様体(前部のぶどう膜)の炎症です。

主な症状:目の痛み、赤み、視力低下、光に対する過敏症(眼精疲労)、涙目。

2.中部ぶどう膜炎(毛様体炎)

毛様体に炎症が起きます。視力に大きな影響を与えることがあります。

主な症状:視力のぼやけ、眼の違和感。

3.後部ぶどう膜炎(脈絡膜炎)

脈絡膜に炎症が起こります。視力低下や視界の歪みが見られることがあります。

主な症状:視力の低下、視界に黒い点が見える、視野が欠ける。

4.全ぶどう膜炎(全体的な炎症)

ぶどう膜全体に炎症が広がるケースです。症状が重篤で、視力に重大な影響を与えることがあります。

ぶどう膜炎の主な原因

ぶどう膜炎の原因は非常に多岐にわたりますが、主な原因を大まかに分類すると、感染症、免疫疾患、外傷、および**特発性(原因不明)**の4つに分けられます。それぞれについて詳しく説明します。

1. 感染症

感染症はぶどう膜炎の原因としてよく見られます。細菌、ウイルス、真菌などが関与することがあります。

ウイルス感染

・ヘルペスウイルス(ヘルペスシンプルックス、帯状疱疹ウイルス)
・風疹ウイルス(特に成人において)
・サイトメガロウイルス(CMV)
・HIV
・A型肝炎ウイルス
・水痘帯状疱疹ウイルス(帯状疱疹による)

細菌感染

・結核(肺結核や結核性ぶどう膜炎)
・リケッチア(例:ライム病、ローズガーデン病)
・サルモネラ、淋菌など

真菌や寄生虫

・真菌性ぶどう膜炎(特に免疫抑制状態の患者に多い)
・トキソプラズマ(特にHIV/AIDS患者に関連)

2. 免疫疾患(自己免疫疾患)

免疫系の異常が原因で、体が自分の組織を攻撃して炎症を引き起こす自己免疫疾患が関与することもあります。これらはしばしばぶどう膜炎の慢性化や再発を引き起こします。

ベーチェット病(日本では比較的多い)

・血管炎を伴い、眼の前部および後部に炎症を引き起こす。

サルコイドーシス

・免疫系の異常が原因で、肺、リンパ節、眼、皮膚などに炎症が起こる。

リウマチ性疾患(関節リウマチ、強直性脊椎炎など)

・眼に慢性的な炎症を引き起こすことがある。

多発性硬化症

・中枢神経系に炎症を引き起こす自己免疫疾患。

クロイツフェルト・ヤコブ病(まれ)

3. 外傷や手術後

目に直接的な外的要因が加わることも原因となります。これには外傷、手術、または目の周辺部への手術後の炎症が含まれます。

・目の外的な衝撃(例えば、打撲や傷)

・眼科手術(白内障手術、角膜移植など)後に発症することがある

・レーザー治療後の炎症

4. 特発性(原因不明)

一部のぶどう膜炎は、明確な原因がわからない場合があります。このような場合は「特発性ぶどう膜炎」と呼ばれます。自己免疫的な要因や遺伝的な素因が関与している可能性が考えられていますが、正確な原因は特定されないこともあります。

その他の要因

薬剤による副作用

一部の薬剤(例えば、免疫抑制薬や抗生物質)でぶどう膜炎が引き起こされることがあります。

遺伝的要因

特に、HLA-B27という遺伝子が関連する疾患(強直性脊椎炎、反応性関節炎など)では、ぶどう膜炎が合併することがよくあります。

ぶどう膜炎の原因は多様であるため、診断を正確に行うためには詳細な病歴、身体診察、および追加の検査(血液検査や画像診断など)が必要です。ぶどう膜炎が疑われる場合は、早期に眼科を受診することが重要です。

ぶどう膜炎の主な症状

ぶどう膜炎の症状は炎症が起こる部位によって異なりますが、共通する症状には以下があります:

・目の赤み

・目の痛み

・視力低下

・まぶしさ(光過敏)

・眼の違和感

・眼球の浮腫や膿がたまることもあります。

予防方法

ぶどう膜炎の予防は、完全に防ぐことが難しい場合もありますが、原因に基づいた予防策を講じることによって、リスクを減少させることは可能です。ぶどう膜炎は感染症や自己免疫疾患が関与していることが多いため、以下のような予防法が有効とされています。

1. 感染症予防

感染症が原因となるぶどう膜炎を予防するためには、感染症そのものを予防することが重要です。具体的には以下のような方法があります。

ワクチン接種

風疹、麻疹、A型肝炎、B型肝炎、水痘、インフルエンザなど、これらのウイルス性疾患はぶどう膜炎を引き起こすことがあります。予防接種を受けることで、これらの感染症の発症リスクを減らすことができます。

感染症対策

手洗いやうがいを徹底することで、感染症の予防が可能です。

衛生管理をしっかり行い、目に触れる前に清潔な手を保つことが重要です。

目を直接触らないように心がけ、特に結膜炎や目の感染症に注意を払い、早期に治療を受けることが大切です。

2. 免疫疾患によるぶどう膜炎の予防

自己免疫疾患や慢性疾患が原因でぶどう膜炎が発症する場合、予防は主にこれらの基礎疾患を適切に管理することにかかっています。

自己免疫疾患の管理

リウマチ性疾患やベーチェット病などの自己免疫疾患がある場合、医師の指導のもとで定期的に治療を受け、病気の進行を抑えることが重要です。

ステロイドや免疫抑制薬を使用して免疫系の過剰反応を防ぐことが、ぶどう膜炎の予防につながることがあります。

定期的な眼科受診

免疫疾患や慢性疾患を抱えている場合は、定期的に眼科を受診して目の健康状態をチェックしてもらうことが予防になります。早期に症状が現れた場合に治療を開始できるため、視力の損失を防げる可能性が高くなります。

3. 外的な要因への予防

外傷や手術後のぶどう膜炎も見られますので、目を守るための予防措置も重要です。

眼の保護

目を守るための保護具(例:スポーツ用ゴーグルや安全眼鏡)を使用することで、外傷を防ぐことができます。特にスポーツや危険な作業を行う際は、目を守ることが予防につながります。

適切な眼科手術後のケア

白内障手術やその他の眼科手術後は、眼科医の指示に従ってケアを行うことが予防に繋がります。術後の感染や炎症を防ぐために、抗生物質や抗炎症薬を指示通りに使用することが大切です。

4. 生活習慣の改善

免疫力を高め、健康な体を維持することも、間接的にぶどう膜炎の予防につながります。

バランスの取れた食事

抗酸化物質を豊富に含む食事(ビタミンCやE、カロテノイドなど)を摂取することで、免疫系の正常な働きを助けることができます。

オメガ3脂肪酸(魚介類や亜麻仁油など)を摂ることが炎症を抑える助けになります。

規則正しい生活

睡眠をしっかりとる、ストレスを減らす、適度な運動を行うなど、生活習慣を整えることで免疫機能が強化され、感染症や自己免疫疾患の発症を抑えることができます。

5. 早期の診断と治療

ぶどう膜炎の症状は、目の赤みや痛み、視力低下などが現れた際にすぐに眼科を受診することで、早期に治療を開始し、合併症を防ぐことができます。症状が軽い段階で発見し治療することが、視力の保護に繋がります。

ぶどう膜炎は予防が難しい部分もありますが、感染症や免疫疾患、外傷などが原因となることが多いため、これらのリスクを減らすための予防策を講じることが大切です。特に、感染症予防のためのワクチン接種や感染症対策、免疫疾患の管理、目の保護が重要です。また、異常を感じた場合は早期に眼科を受診し、適切な治療を受けることが最も効果的な予防法と言えるでしょう。

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